育児サロンのよしです。
冬はさまざまな感染症が蔓延しやすい季節です。
インフルエンザもそうですが、同じくらい蔓延しやすい感染症としてロタウイルスとノロウイルスがあります。
聞いたことがある人もいるとは思いますが、具体的にどこがどう違うのかわからない人も多いと思います。
今回はそんなウイルス感染症について解説していきます。
目次
なぜ冬に蔓延してしまうのか?
どの感染症も冬になると流行しやすくなります。
ロタウイルス、ノロウイルス、RSウイルス、インフルエンザなどなど挙げればキリがないくらいです。
なぜこんなに感染しやすいのかというと2つ理由があります。
①空気が乾燥しているから
冬ってすごく空気が乾燥していますよね?
よく「火の用心」と消防団体が呼びかけしていますが、火も乾いた空気を伝って広がりやすいように、ウイルスも乾燥しているところだととても遠くまで蔓延していきます。
イメージとしては、お風呂のように湿気100%のような場所だとウイルスは湿気(水分)の重さに耐えられずすぐに地画に落ちていきます。
でも、乾いた空気だと身軽にどこまでも飛んでいけるのです。
ですので、ロタやノロ以外にもさまざまな感染症が蔓延しやすくなります。
②免疫機能が落ち込む人が多いから
暑さと寒さでは、寒い時のほうが体の免疫機能は低下しやすいものです。
冷えは大敵とよく言いますが、体が冷えるとさまざまな菌に対する抵抗力が落ち込んでいきます。
そうすると、普段はかかることのないようなウイルスにもかかりやすくなります。
先ほども書いたように空気も乾燥していますので、喉も荒れやすくなりますよね。
そういう荒れた場所からウイルスはスッと体の中に入っていくのです。
また、乳幼児や高齢者は季節問わず抵抗力が低いですので、ウイルスの勢いに負けて感染してしまうことが多くあります。
冬に流行する胃腸炎、ロタウイルスとノロウイルスの違いとは?
ロタウイルスとノロウイルスは似ていますが、ウイルス自体が違うので全く別の胃腸炎ということになります。
ただ、どちらも同じ「胃腸炎」という種類であることに変わりはないので、対策や予防法は似ています。
ロタウイルス感染
感染性胃腸炎の中でも最も感染力が強いのがロタウイルス感染症です。
ノロウイルスに比べて症状は長引く傾向にあります。
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ほとんどが生後6か月~2歳頃で、だいたい7歳くらいまでにかかることが多いです。
就学前に誰しも必ず1回はかかると言われています。
大人もかかりますが、成長と共に抵抗力がついてくるので無症状であることもよくあります。
ですので、入院するくらい悪化するのは1歳代くらいまでであると言えます。
参考
ビーク:3~4月頃
症状:激しい嘔吐、下痢、腹痛、発熱
特徴:米のとぎ汁のような白っぽい水便。発熱を伴う。
ロタウイルスは感染力が強いため、保育園や小学校などであっという間に蔓延していきます。
さらに、乳幼児がかかると重症化しやすいため、来年度(令和2年度)からは、予防接種にロタウイルスが組み込まれる予定になっているくらいです。
嘔吐と下痢をひたすら繰り返すので、乳幼児は特に脱水症状を起こしやすく、そこからけいれん発作を起こすなど重症化しやすいです。
そのような場合は1週間ほど入院して治すことが多いです。
4~5歳くらいになってくると、1回病院に行って薬をもらい、2~3日休むだけですぐに症状が収善していく子もかなり増えてきます。
我が家の5 歳児は体調不良を訴えて1 日保育園を休みました。
1回も吐かず、下痢も2回だけでしたが、うんちのほとんど白かったのでロタウイルスだったかと思いますが、すぐに元気になって登園して行きました。
大人は無症状であることが多いですし、成長していくに従って怖い感染症ではなくなってくるのですが、とにかく乳幼児を持つ親御さんは要注意の感染症になります。
ノロウイルス感染
ノロウイルスは突然激しい嘔吐に襲われることが多いですが、半日~1日で改善することも多くあります。
ただ、ロタウイルスと違い、成人でもかかると強く症状が出ますので家族内感染に注意が必要となります。
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生後4か月~9歳くらい。 大人もかかれば症状が出ます。
参考
ピーク:11~12月
症状:嘔吐、下痢
特徴:ロタと違い、便は白くなりません。 アルコール消毒が効きません。
嵐のように嘔吐と下痢が出現し、嵐のように改善していくので、病院に行く隙間すらなかったという人も多くいると思います。
全く飲み食いできなくても、期間が短いので重症化しにくいです。
ただ、これも乳幼児や高齢者は長引きやすいので、脱水を起こす危険性があります。1~2日程度であれば、自宅で様子を見ていても大丈夫なのですが、2日目を終わりかけても症状が改善していない場合には病院を受診することをお勧めします。
ノロウイルスだからというだけで入院にはなりませんが、飲み食い出来ないために脱水になっているのであれば、点滴治療が必要になります。
気を付けなければいけないのは、看護している親です。
子どもが吐いたものを片づけるとき、下痢便のついたオムツを交換するときなど、感染する危険性が非常に高いです。
ノロウイルスは少ない量でも非常に強い症状を引き起こしますので、トイレのドアノブや手を洗ったあとに手を拭いたタオルなどから感染していきます。
というのも、ノロウイルスは水洗いやアルコール消毒では死滅しないからです。
ノロウイルスに効くのは台所や洗濯で使用する塩素系漂白剤と熱湯のみです。
手は熱湯では洗えませんので、もし手に菌が付いた可能性がある時には塩素系漂白剤で消毒する必要があります。
そうならないために、必ず手袋をして看護するようにしましょう。
対処法とは?
手洗い、うがい、マスク、手袋
とにかく大切なのは、蔓延させないことです。
オムツを替えるときは手袋をして、おむつ自体も便をトイレに流さずにそのまま袋に 2 重にいれて捨ててもいいかと思います。
トイレに便を捨てると、万が一便座に便が触れてしまったりした時に感染が広がる恐れがあります。
また、オムツ交換の際は下に使い捨ての敷物(チラシ等でいいと思います)を敷き、捨てられないものは使用しないようにしましょう。
オムツ交換をした後に手を洗う人は多いですが、うがいまでする人は少ないと思います。
しかし、ウイルスは空気を伝って蔓延していきますので、できれば子どもの世話をしたたびにうがいまでできるといいですね。
時間がない時はせめてマスクをして接するようにしましょう。
入院してくるバターンで多いのが、「私も具合悪いです」「私も今朝から下痢してます」というお母さんたちです。
自分が具合が悪いとお子さんのお世話をするのがさらに大変になります。
ですので、しっかり予防してお子さんのお世話に徹することができるようにしていきましょう。
タオルは共有しない
普通の風邪などの細菌は蔓延すると言っても家族くらいですよね。
それとは違って、ウイルスは感染力がとても強いです。
インフルエンザもRS ウイルスも、世の中に蔓延する感染症のほとんどはウイルスです。
感染した人が触ったところについたウイルスがほんのわずかであっても、それに触れた人は感染していきます。
ですので、ロタウイルスやノロウイルスに感染した人が身につけたもの、触ったものについては他の人と共有しないように気を付けましょう。
手を洗った後のタオルも同じです。
手を洗ったからと言って、手が100%清潔であるとは言えません。
洗い残しは必ずあるものです。
ですので、症状のある期間だけベーバータオルを使用するなどして対策していきましょう。
(ノロのみ)塩素系漂白剤と熱湯で消毒する
ノロウイルスはアルコール消毒では死滅しません。
必ず、塩素系漂白剤か熱湯で消毒する必要があります。
特に衣服や触れた布団、タオルなどはしっかり消毒したほうがいいと思います。
基本的には 1.5Lに対して25mlの漂白剤を入れて1時間つければ大丈夫です。
そのあとは普通に洗濯します。
大きな布団を消毒するのは大変ですので、もしノロウイルスにかかった場合には、捨てても良い布団を使用したり、布団の上で嘔吐や下痢をしても大丈夫なくらい防水シーツやタオルを重ねて寝たりすると良いと思います。
万が一捨てることになってもいいように使い古しのタオルを多用する方は多いです。
こまめな水分補給ができるといいですが、無理をしてはいけません
とにかく脱水が心配ですので、こまめに水分補給ができれば一番なのですが、飲んだたびに吐くようであれば、 今の状態がそれほど悪くなくても早めに病院を受診したほうがいいと思います。
少しずつでも水分が摂れているようであれば、様子を見ていてもいいですが!
注意
・きちんとおしっこが出ているか?
・唇がカサカサに乾いていないか?
・皮膚の状態がカサカサになっていないか?
などはチェックしておきましょう。
心配であればやはり病院を受診することをお勧めします。
水分はスポーツ飲料などでいいと思います。
飲みたいものを飲ませてもらって構いませんが、柑橘系と乳酸菌飲料は避けたほうが無難です。
飲んで駄目ということはありませんが、人によっては症状が悪化する恐れがありますので、お子さんが欲しがったときには気を付けて少量ずつ飲ませましょう。
最後に
いかがでしたか?
ポイントを抑えて適切な対処をしていきましょう。
ポイント
・ロタウイルスもノロウイルスも冬に感染しやすい感染症です。手洗い、うがいなどの予防に努めましょう。
・もし感染症にかかった時にはこまめに水分補給をしましょう。
・1日以上全く飲み食い出来ないときは早めに病院を受診しましょう。
・ノロウイルスはアルコール消毒が効きませんので、塩素系漂白剤を使用して消毒しましょう。
いくら自宅でしっかり予防していても、必ずかかると言われています。
特にもロタウイルスは5歳までに 9O%のお子さんがかかると言われています。
うちの子は大丈夫ということはありませんので、かかった時にどうするかなど対処法を考えておくと、いざという時に慌てずに済みます。
家族全員が感染してダウンするご家庭も少なくありません。
期間自体はそれほど長くありませんので、しっかり対策をして感染の拡大を防いでいきましょう。

冬は感染症になりやすい季節です。
しっかり対策をして防いでいきましょう。